■弱虫ペダル
RIDE.386 遅れる総北
「果たして奇跡は起きるのか・・・」
■前回のレビュー
スプリント勝負に決着がついた頃、その後方では二つの集団+1が走っていた。
王者箱根学園の6人と京都伏見の6人・・・
そして総北の鳴子の計13人だ。
鳴子は京伏のケツに張り付いて、何とか一人頑張っている状況か。
椎坂トンネルを抜け、むわっとした暑い空気を受ける鳴子。
下りに入り標高も下がってきたからか、体感温度は上昇しつつあった。
この下りが終われば沼田に入る。
そこからはしばらく平坦が続き、そして山に入る。
鳴子は京都伏見も箱根学園も捕まえたまま、最後まで行くつもりだ。
しかし、平坦も山もこなすというのは口で言うほどラクではないだろう。
いかにオールラウンダーに転向したとはいえ、
一人で戦えるほどロードレースは甘くない。
鳴子は京伏のケツについて風除けに使っているようだが、
それを許さない京伏。
ちょいちょいラインをずらし、風除けを阻止してくる。
これも御堂筋のフェイズというやつのようだ。
張り付いた敵を疲労させるには有効な手のようだ。
見た目の地味さとは裏腹に、かなり足にくるようだ・・・。
鳴子は何とか振り切られないよう、自分を鼓舞しついていく。
そして総北の到着を期待する鳴子。
小野田くん、手嶋さん、スカシ!!
来いや
追いついて!!
・・・・・・
・・・・
「絶望的だなっ・・・!!」
噂の手嶋さんは絶望を口にする。
二つの集団からはかなり遅れている様子だ。
しかし、その目はまだ諦めてはいないようだ。
小野田も手嶋もまだ希望を捨ててはいない。
しかし今泉は・・・。
もはや心が折れた、ただのポキ泉クンだ・・・。
小野田が手嶋に代わり先頭で皆を引く。
「あああああ!!何とか・・・!!何とか前に追いつきます!!」
最悪の状況だ・・・!!
手嶋の状況分析が始まった。
先頭との差はかなり開いてる・・・鳴子たちは相当先にいる。
何とか追いつきたいが向こうは6+6+1=13人
こっちは3人・・・その内2人が平坦が苦手なクライマー!!
さっきの給水場でのこと・・・
マネージャーの幹からは先頭との差は5分11秒だと伝えられていた。
杉本はひっしに、「追いつける!」と涙目で声を出していたが・・・
果たして、ひっくり返せるのか?
手嶋は杉本の涙目を見て、その気持ちが痛いほど理解できた。
去年まで給水係だったからこそ、チームが待っても待っても来ないのは
本当に泣きそうになる・・・!!
けど!!
何とかしなくちゃなんない!!
この状況を!!
今度はオレが!!
その時だった。
背後から忍び寄る影・・・!!
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