「これは武蔵先輩に謝らねばならぬ展開だな・・・」
前回のラスト・・・振るとは予想していたが・・・
結果は予想していなかったよ・・・。
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武蔵はおもむろに両の手の九節鞭をだらんとぶら下げてみる。
「ん・・・・・・・?」
プランプランさせながら武蔵は言う。
「ふむ………振れる………
振れることは振れる………が」
「重量さ(おもさ)がな・・・今一つ・・・」
「生命を断つにしてはな・・・」
武蔵は九節鞭を手に観察を続ける。
「んん・・・?」
九節鞭の節の部分の金具を見て一言。
「鋼がわるい」
「………………ッッ」
汗を流す烈。
武蔵が九節鞭を手に感想を述べる中、烈は全く別のことを考えていた。
何故踏み込まん
烈は心の中でそう自身へ問いかける。
武蔵は続ける
「大陸の人、烈海王。
これ・・・この玩具でこの武蔵を討ち取れると・・・・・・・?」
烈は構えたまま、武蔵の問いに答えずに
自問自答を繰り返す。
鞭に気を取られていたつかの間・・・・
何故仕掛けないッッ
幾度でも・・・・・・・・ッッ
幾度だって機会はあったハズッッ
烈は武蔵に攻撃を仕掛ける!
義足で踏み込み、手をついての下段蹴り!
「おッほ!」
武蔵余裕の回避ッ!!
烈の自問自答は続く。
虚偽だ!!!
偽りを言うな烈海王!!!
ほんの一瞬だって
隙など無い!欠片ほども!
攻撃を仕掛けているはずの烈の顔に余裕はなく、
大量の汗に苦悶の表情。
これは自身に対する怒りか?
「烈海王・・・これはな・・・こう振る」
武蔵は両の手に九節鞭を持ち、脱力しながら構えに入る。
オーガの構え・・・両の手を頭上に上げるアレだ。
~~~~~~~~~~~~~~~ッッ
青ざめる烈とは裏腹に、観客はどっと沸いた!
武蔵の二刀流!鎖による二天一流がみられる!!
九節鞭を人差し指だけに軽くかけ、構える。
あの青竹を一振りでバラバラにした驚異的な振りを放つのだ!
「ぬん!!」
ドヒュッ!!!
明らかに烈の振りとは違う音ッ!!
一瞬何が起きたのか解らない烈海王と郭海皇。
「・・・・・・・・?」
武蔵の両の手から九節鞭が消えた・・・?
いや・・・握り手部分を残して、その先は根元から切れて
地面に落ちてるッ!!
衝撃を受ける烈海王!!
観客が叫ぶ
「人間じゃねェよもう・・・・・ッッ」
武蔵は言う
「否・・・・・・・・・武器じゃない」
~~~~~~~~~~~~~~ッッ!!
武蔵にとってはただの玩具に過ぎないッ!!
もうだめだぁぁぁ!!