■七つの大罪
第134話/もう団長ではない君へ
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「・・・!」
「先代の妖精王ダリアも、先々代・・・初代妖精王グロキシニアも
立派な羽を持ってたけど、なんでお前には生えてねぇ?」
「黙れ・・・訊いてるのはオイラの方だ!!」
ムキになるキング!
メリオダスの掴んでいるキングの木の棒が静かに震えだす。
そして徐々に木の棒の中心が湿っていく!
すると、その湿った部分から一滴の水が浮き出てきた。
"養分凝縮(コンデンスパワー)"
「水滴の玉・・・?
・・・いやただの水滴じゃなさそうだな」
キングは木の棒を遠隔操作していたときと同じ様に
腕を振り回す!
すると水滴がメリオダス目掛けて飛んでいった!!
「!!!」
メリオダスは水の玉目掛けて、木の棒を振り下ろすが、
バキッ!と砕けてしまう!
「・・・こりゃあ鉄の玉だ!!」
「木は幹を垂直に走る放射組織から養分や水分を内部に運ぶ。
このトネリコの木にわずかに残る水分を一気に中心に凝縮するイメージで
圧縮した水玉を作るのさ」
再び水玉で攻撃するキング!
それを紙一重でかわしつづけるメリオダス!
「一気に中心に凝縮する・・・か。なるほど~~~・・・」
メリオダスの体に魔神族の文様が浮かび上がる!
それをコントロールし、体の中心に文様を集める!
一気に中心も凝縮!!!
「ほ!!」
凝縮した闇の波動を体外に放出するメリオダス。
「できた!!」
「(あれは・・・闇の塊?)」
『いい加減にせんか!!二人共もう出てこい!!』
相当お怒りのジェンナ。
「あらら。どうする?」
「・・・ディアンヌとバンは心の底からキミのことを信頼している。
その気持ちを踏みにじったらオイラは絶対に許さない!!」
「・・・今、全てを話すことはできねぇ。
仮に話したところで信じてもらえるとも思えねぇ・・・正直なところな」
「・・・それが答えならこれからはキミを監視させてもらう。
キミが本当に信頼に足る男かわかる、その時まで」
「・・・ああ」
「・・・ねぇオイラと初めて出会った時のキミの言葉・・・覚えてる?」
「・・・」
「いや・・・なんでもないよ」
二人は修練窟をあとにした。
「お・・・出てきた!!」
「メリオダス!」
「ようギル坊」
「バカタレ共!喧嘩の原因はなんじゃ!!」
「おっ〇い派かおしり派かで議論が白熱しちゃってよ!な?」
知らん顔のキング!
その時だった。
激しい痛みがキングを襲う!
「・・・!?(今の痛みは・・・?)」
「さてさてさーて、そろそろ俺の"力"戻してくれっかな?」
「・・・ったく、本当なら『ダメじゃ』と言いたいところだが・・・仕方ない」
ジェンナは杖を取り出すと、呪文を唱え始めた。
「ラクシダ・ツミダマシ」
※出し楽・つまみだし?
すると杖の先から巨大な琥珀が宙に現れた。
「で・・・でけぇ!!」
「まさかこれも女神の琥珀!?」
「メリオダス殿の"力"がここに?」
「入れるのに随分苦労したぞい・・・。
他の者は下がっておれ。ではやるぞメリオダス」
「オス!!」
「ゼハロ!ジケハロ・バトレシホ」
※はぜろ!はじけろ・ほとばしれ?
すると巨大な琥珀にヒビが入り始めた!
そして、その瞬間に辺りが闇に包まれた!
「な・・・なんだぁ?急に夜になった!!」
「夜の闇ではない。琥珀から解き放たれたメリオダスの"力"じゃ」
ジェンナは再び杖をかざし呪文を唱える!
「カリヨデライシ・タフタミヤビヨ・モンドラ!!」
※からよりいでし・やみよふたたび・もどらん?
闇の塊がメリオダスに落ちてきた!!
その瞬間に波動がほとばしり、メリオダスの近くに居た者達は衝撃で吹き飛ばされた!
どうやらメリオダスに力が戻ったようだ。
その瞬間十戒全員がメリオダスの魔力に気づいた。
「これは・・・間違いない・・・奴だ!!」
ついにメリオダスに力が戻った!
これで十戒と対等に渡り合えるのか!?