■神さまの言うとおり弐
第119話/ぼくらの救世主
「1チームを1つの国として、3つの国で戦うドロケイ。
その名も『三国ドロケイ』!!
『太陽』の国!!『月』の国!!『星』の国!!」
三国の王を紹介する。
太陽の国/ガチムチの絶対皇帝リリィ
月の国/ぼくらの救世主明石
星の国/スピリチュアル天然娘ファトマ
「明石くんが・・・!?」
「ていうか、変な二つ名ついてる・・・」
みんなの視線が明石に集中する。
「この3人の内1人が捕まって処刑された時点で選別終了♪
ちなみに自分のIDカードをもう一度押すと、
それぞれの役職に能力が備わるから!試してね」
アシッド・マナの説明を聞き、IDを押す各人。
「!IDカードが銃に変形したぞ!」
「私は鍵だ!」
ジョブによって能力は違うようだ。
「あれ?何も起こらない?」
「背中のマーク!変わってる!」
どうやら紫村は3回までタッチされても大丈夫ってことかな?
ライフジャケットの背中に3のマークが!
「使い方は実際に自分で試してからのお楽しみ!
それでは最後にそれぞれの国の・・・
『王』からチームへの挨拶タイムです!」
天井からマイクが落ちてきた。
「!」
「はりきってどーぞ(はぁと」
「え・・・」
皆が明石に注目してる!
「あ・・・
・・・はじめまして。明石靖人といいます。
何て言っていいか・・・その・・・
正直・・・俺なんかが『王』でいいのか俺にはわかりません」
場がざわついた。
大丈夫なのか?といったところだ。
「でも、ひとつだけ言えることは、俺は『生きたい』
生きて・・・この選別を終わらせて・・・しんでしまった仲間達と・・・
一緒に生きた仲間達を救いたい。
今はまだ、その救う方法はわからないけれど・・・
これだけは誓える・・・
『皆が信じてくれるなら、俺は絶対に裏切らない』
ってこと。
だから、この『王』という役割を与えられた事に、ワクワクしてる俺がいる。
皆の命を背負える事に、俺は誇りを感じる。
その命を託してくれれば、俺はどこまででも強くなる。
さぁ行こう。勝つのは俺達だ・・・
生きるのは俺達だ!!」
大歓声が上がる!
みんな明石のスピーチに心打たれたようだ!
「ウォオオオオ!!!」
「おっしゃあああ!!!」
「♪やるじゃん」
「かっくいー」
「いいぞお前!!それでこそ『王』だ!!」
「何て熱いスピーチだ!」
「ゴキゲンだ!!ついていくぜ!!」
「明石さんすごい・・・!一瞬で皆の心を・・・!」
「ヒーハー!!」
紫村wwwヒーハーてww
そんな中、明石をスコープで狙う者が・・・!
ダンッ!!
「!!?」
明石が何者かに撃たれた!!?
「ぐっ・・・!?」
「え」
「明石さん!」
倒れこむ明石!
ビリビリと全身が痺れているようだ!
そして同時に明石の身体から
『STOP 60sec』というパネルが表示された!
60secからカウントダウンが始まった!
「なるほどな。当てたら60秒間動きを止めるライフルか・・・
悪くはねぇな」
撃ったのは明石の隣の席だったイケメン野郎だ!!
「ちょ・・・ちょっと!?」
「何考えてんだぁてめぇ?ハッハー♪
仲間同士で撃つ奴があるかよ!?
ころすぞチビスケぇ!?」
顔にタトゥーをいれた、いかにもヤバイ系の奴がイケメンに迫る!
「誰に向かって言ってんだ?」
「お前だよカチューシャ野郎ぉ!!ブッころす!!
これは正当防衛だぜぇ!!」
タトゥー男の机を破壊するほど強烈な一撃!
それを難なくかわすイケメン!
「汚ねぇ手で触んじゃねぇよ。ブッころすのは俺の方だ。脳筋単細胞」
イケメンは男の背後にまわり、背中のタッチマークに強烈な掌底を放った!
「ヴッ・・・!?」
吹っ飛ぶタトゥー男!
「あらら、血の気の多いのばっかだな」
「おお強い!」
「なんだよ・・・背中を触りゃころせると思ったのに・・・まぁいい。
あとは俺1人でクリアする。時間がねぇ」
「おい・・・どこ行く気だ勝手に!?」
「なんなんだよあの危ねぇ奴・・・」
「大丈夫ですか明石さん・・・!?」
紫村と天馬ちゃんに支えられる明石。
STOPは残り3secになってる。
「へへ・・・いいよアイツ」
「え」
STOPカウントが0になった明石が話し出した。
「おかげで肝心のルールが理解った・・・
その銃は誰にでも効くけど、仲間同士のタッチは無効って事・・・
これでウチのチームは勝利に近づいたぜ!
おい、お前名前は・・・?」
何処かに去ろうとするイケメンが歩みを止めた。
「メルト・カルカヴァン」
「OKメルト。お前がこの国の特攻隊長だ」
「言ってろ」
そういうと教室から去るメルト。
「大丈夫か?」
「あ・・・ああ、サンキュ王・・・」
明石は吹っ飛ばされた男の手を取って起こしてやる。
「アイツみたいに行きたい奴は行けばいい。
残りたい奴はここに残れ。要は『ドロケイ』だろ?
敵にタッチして捕まえればいいんだ。戦おうぜ皆!!」
「はーい!そんじゃはっじめっるよー」
地獄変2NDステージ『三国ドロケイ』スタート!!!
「・・・何か明石さん・・・強くなってる」
親友との別れが明石を強くたくましく成長させた!!
生き残れ明石!!
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