■ブラッククローバー
ページ24 王都騒乱
「いいかコンチキショー!
オレは必ず"実績"を積んで・・・魔法帝になって
オマエら全員黙らせてやる!!!!」
貴族達を前に、そう宣言するアスタ!
アスタたちがいざこざを起こしていたその頃、王都には危機が迫っていた。
二人の怪しい男達。
王都をふもとの草原で見つめボヤク。
「なぁ~~~~?オカシイよなぁ!?
何でこのオレ様が追い出されなきゃなんねぇんだよなぁ」
その口ぶりからして元々はクローバー王国にいた者か。
さらにこの男が言うには、自身は王族以上の魔力を持つという。
それが事実だとすれば、この男は、その強大な魔力故に追放されたということか?
「この世界は魔力がすべてだろぉが・・・なぁ!?」
「・・・」
隣の男は何も話さない。
いや・・・話せないのだ。
隣に居た男が誰なのか・・・それはわからないが、
明らかに致命的な重症を負った"何か"ということはわかる。
顔はひび割れ・・・その表情はまるでゾンビ・・・。
生気は微塵も感じない。
ただ小さくうめき声を上げている・・・。
「フザケやがってクソがぁ!!」
おそらくこの男の仕業だろう。
すると男の背後から突然もう一人が現れや。
影から出てきた・・・?
「誰に向かって喋っている・・・」
「あぁ・・・!?独り言だよ・・・!!」
「準備出来たぞ・・・!」
「ああ・・・!オレの力、とくと教えてやるぜ・・・!魔法騎士団」
「魔法帝に・・・なるだと・・・!?」
ざわつくパーティ会場。
『笑わせるな!!』
シルヴァ兄妹とアレクドラがアスタに向かって魔法を放つ!
水拘束魔法"海蛇の巻縛"
霧拘束魔法"霧蜘蛛の縛糸"
正面から来る二つの魔法を、アスタは難なく切り払う!!
これを見届けたアレクドラは
砂拘束魔法"砂鎧の番兵"を使い、アスタの動きを封じ込めた!
水とも霧とも違う!
巨大な砂の兵が、アスタの足元から現れると、一気にアスタを飲み込んだ!
完全にホールドされた状態では剣が振るえない!
だが左腕は難を逃れているようだ!
「この晴れの舞台であのような立ち振舞い・・・
何らかの処分は免れんぞ・・・!」
アレクドラがそういうと、ソリドがそれでは甘いと言い出し、
水創成魔法"聖水の凶弾"を生み出した!
図に乗った態度をする者には、二度と舐めた事ができないよう、
その体に覚えさせる必要があるという。
巨大な水の弾丸!
いかにアスタといえど、身動きが出来ない状態で食らえばひとたまりもない!
「アスターー!!!」
解き放たれた弾丸!
思わずノエルが叫ぶ!
アスタは咄嗟に魔導書からもう一本の剣を召喚し、
まずはこれで砂の巨兵を破壊!
そして襲い来る水の弾丸をソリド目掛けて跳ね飛ばした!
「ノエルに・・・謝れ!!!」
アスタが跳ね返した水の弾丸に吹っ飛ばされるソリド!
「・・・!!このオレに・・・膝をつかせたなァア~~~
この下民風情がァァーーーー!!」
激昂すうソリド!
その瞬間!!
恐ろしいほどのプレッシャーが、アスタとソリドを凍てつかせた。
「ソリド・・・」
「ノゼル・・・兄様・・・!」
「下民如きに、そう容易く魔法を使うな・・・!」
何だ・・・この寒気・・・
ヤミ団長とはまた違った・・・冷たい威圧(プレッシャー)・・・!!
銀翼の大鷲・・・団長・・・・!!
「王族に逆らいし下民・・・どう裁いてやろうか・・・」
「そこまでにしておけ・・・!
少年一人に恥ずかしくはないのか・・・!?
シルヴァ一族よ・・・!!」
どこからともなく現れた、フエゴレオンなる人物。
この男も相当に強そうだ。
少なくとも、シルヴァ家に物を言える立場と実力を兼ね揃えているのだろう。
一方アスタを認める者も現れた。
紅蓮の獅子王団のレオポルド・ヴァーミリオンだ。
二等中級魔法騎士の称号を授与された人物からライバル認定されるアスタ!
レオポルドとフエゴレオンはミモザの従兄にあたるようだ。
睨みあうノゼルとフエゴレオン。
「ユリウス殿がこの場にいることを許した者だ・・・
下民といえど、多少は認めてやっても良いのではないか・・・?」
「・・・まさか王族の者から、そのような言葉が出るとはな・・・
ヴァーミリオン家もお優しくなったものだ。
天空を舞う鷲が地を這う虫ケラをどう認めろというのだ・・・?」
『・・・・・・!!』
睨みあう二人の魔力が辺りに影響を及ぼし始めた!
凄まじいマナのぶつかり合い!
窓はガタガタと揺れるし、そのプレッシャーに押しつぶされそうになるクラウス!
そんな時だった!!
兵が突然入ってきて叫んだ!
「大変です・・・!!王都が・・・王都が襲撃されています!!!」
凶悪な魔導士が高笑いをしながら城下町を焼いている!
言い争いをしてる場合じゃない!一刻も早く止めるんだ!
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