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【漫画レビュー】火ノ丸相撲 第57番 不愉快な連中【週刊少年ジャンプ34号】

■火ノ丸相撲
第57番 不愉快な連中

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いよいよ始まる中堅戦。

そんな中、二陣戦で敗北した荒木が土俵の上に立ち尽くしていた。

 

審判に注意を受ける荒木。

 

 

う・・・後ろを向けねぇ・・・

みんなの方を見れねぇ・・・!

 

元居た連中を押し退けて途中から入った一年の俺が奪った二陣の席・・・

なのに・・・どこで間違えた・・・!?

実力だけでもぎ取ったこの場所・・・

結果を出せなかった俺に価値は・・・居場所は・・・

 

「おい」

 

荒木の背後から声をかける金盛。

 

「ごちゃごちゃ考えねぇのがお前の長所だろうが。

 強いて敗因を上げるなら準備期間の少なさくらいだ。

 全国を見て来た連中がお前を必要とした事に胸を張れ。

 

 國崎には國崎の強さがあるんだろうが、

 お前はお前のやり方で日本一にまでなったんだろ。

 今まで通り自分が信じた道を行け。お前はそれでいい」

 

「・・・・」

 

「責任を取るのは先輩の仕事だ。

 ただ、お前にもいつかその役目が回ってくる。

 そのいつかの為にも今は先輩の姿をよく見ておけ」

 

 

ようやく土俵をあとにする荒木。

 

「やっと降りたぞ。何だったんだ?」

「ユーマ!集中して行こう!」

 

火ノ丸の言葉に黙って頷く五條。

 

五條の妹・レイナも舎弟と一緒に勝敗を見守っている。

 

五條の相手である金盛は、一度対戦経験があり、その時は五條の敗北だった。

果たしてこれまでの特訓で、差は埋まったのか・・・

 

桐仁は、同じく金盛との戦った経験のある火ノ丸に、その時の勝負の内容を聞く。

 

「・・・いや、あれは参考にならん。あん時ゃ奴も熱くなっとったからな。

 ワシのぶちかましに対して格の違いを見せつけようと、奴はあえて胸で受けた。

 

 あの傷を見るにもっと頭からガンガン来る奴じゃろうに

 その後の取り口も雑、肩越しの上手で背骨は伸び切り、

 最後の投げも強引じゃった。

 

 ・・・今の奴に言える事があるとすれば一つ

 あん時の様な隙はもう二度と見せてはくれんじゃろう。

 誰が相手じゃろうとな・・・」

 

 

五條は土俵で金盛を前にして考え事をしていた。

・・・ここまで一勝一敗。勝負は振り出しに戻った。

・・・しかもここからの組み合わせは奇しくも

春の三人制団体戦と同じ・・・

 

・・・ただ、あん時と違うのは・・・

 

 

「手をついて!」

 

行司の声で構えに入る二人。

しかし五條の構えは今までにないものだった。

上体を起こしたままの姿勢・・・!

 

狛犬型仕切り・・・そういう型に当てはまる構えだが、

もちろん五條はそれを知っててやっているわけではない。

五條の得意とする引き技に落ちない突き押し相撲にとって特化した構え。

自ずと導き出された答えだった。

 

・・・立ち合い、体を起こす動作を一つ省く事で先に届かせる。

俺の諸手突きを!

 

・・・・・

・・・

 

かつての道場での師に技を伝授してもらう五條。

 

「・・・この諸手突きは相手を倒す為のものじゃない。

 ぶちかましに来た相手の上体を起こす。

 腕は伸び切るまで押せ。そして二撃目・・・

 ガラ空きになった顎めがけて・・・叩き込め!追い突きを!」

 

・・・

・・・・・・

 

 

・・・いかに鍛えた力士でも・・・どんなに格上でも

アゴにもらえばただじゃ済まねぇはずだ・・・

 

ここで負けたら後がなくなる・・・

後の二人に勝敗を委ねるなんて・・・ダセぇマネできるかよ・・・!

何の為にここまで来たんだ・・・

 

ここで勝たなきゃ・・・男じゃねぇ・・・!!

 

 

「はっきよい!」

 

 

ドッ!!

 

な・・・ん・・・

 

ドゴッ!!

 

 

おおかたの予想を裏切る展開!

なんと先手を浴びせたのは金盛だった!

強力なツッパリが五條の顔面にヒット!!

 

すかさず二発目が放たれてしまった!

 

 

「出た!金盛主将の突き!『大筒』!!」

「でも突き合いは五條の土俵じゃ・・・」

 

・・・金盛はああ見えて案外器用なオールラウンダー。

組んでも離れても相撲が取れる。

 

五條はここまで組まれてからの展開を見せていない。

三ツ橋の件もある・・・未知の領域に踏み込むのは危険という判断か・・・

奴を視界に収めたまま戦う事で確実に勝利をものにする気だ!

 

 

「・・・」

 

五條佑真・・・知ってるぜ。

ダチ高の番格なんだってなぁ。

石高は県内でも屈指の不良の巣窟だから、そういう情報は嫌でも耳に入ってくる。

 

・・・ここまで来てまた不良かよ。

思えば石高相撲部の歴史は不良共との戦いの歴史でもあった。

 

今でこそ相撲部に直接手を出すバカはいねぇが、

これまで何度も嫌がらせを受けて来た。

やつらが外で起こした問題のせいで出場停止になった事もある。

 

・・・本当に不愉快な連中だよ。なぁ真田・・・

 

五條・・・てめぇがたった数ヶ月でここまで来た事は大いに認める。

お前は強い。

だが、それがどうした・・・うっとうしいんだよ・・・不良ら。

これ以上俺達の・・・

 

邪魔をするな!!

 

強烈な張り手を食らう五條!

ついには土俵際まで追い詰められた!

 

 

負けるのか・・・?

このまま成す術もなく・・・相手は格上・・・仕方ない・・・?

おい・・・わかってた事だろそんなのは・・・

俺は何しにここへ来た・・・

 

何の為に・・・

 

『立ち会いでしくじってもうろたえるな。

 むしろそこからが真骨頂。こんな言葉がある

 「空手に先手なし」

 

覆水を盆に返す為だろ!!

 

五條は空手の構えをとった!

 

「来いオラァ!!」