■NARUTO-ナルト-外伝 ~七代目火影と緋色の花つ月~
No.700+8 本物
サクラは本物の母親ではなかった・・・
衝撃の真実にサラダは怒りと悲しみに包まれていた。
「サラダ・・・お前・・・写輪眼が・・・」
「!」
『サスケはメガネをかけてねーけど、お前そっくりだってばよ。
特に目元なんかよ・・・写輪眼になったら余計そうだろうよ』
サラダはナルトの言葉を思い出していた。
「・・・今さらあんな人なんかに似ていたくもないです・・・!」
「どうする気だ?」
「…七代目には関係のない事ですから!
私一人で旅を続けます…もう木ノ葉隠れの里には帰らないと思います…
では色々とありがとうございました…!」
ナルトは去ろうとするサラダの腕を掴んだ。
「!! なんですか!?」
「・・・・・・・
悪ィけど、さっきここでの話は聞こえちまった」
「!」
「けど・・・俺には関係ねーとか・・・
そういうふうにはいかねーんだ」
「・・・聞いてたんなら分かるでしょ!
事実七代目には関係のない事じゃないですか!」
「・・・ボルトにもよく言って聞かせたんだ・・・
火影ってのは里の全ての人が家族みてーなもんだってな。
先代の三代目火影もよくそう言ってた」
「だから何ですか!?…それはただの方便ってやつでしょ!」
「・・・・・・・」
「パパは全然里にいない・・・娘の私の顔さえ知らなかった・・・
・・・ママは・・・ずっと私を騙してた・・・それに・・・
血が・・・繋がってもなかった・・・」
「・・・・・」
「…私には……本当の家族なんていないんだって事がよーく分かりました。
それから…七代目は私じゃない…これはまぎれもない事実でしょ?
…だから私の心も分かりっこない!アナタは…私と家族じゃない」
サラダはナルトの掴む手を振りほどこうとするが、
ナルトは真剣な目で真っ直ぐサラダをみて、腕も決して離そうとはしなかった。
「・・・・!?」
ナルトは幼少期の自分を思い出していた。
イルカ先生に厳しくされる日々。
そしてイルカ先生の両親をころし・・・
里を壊滅させた九尾の妖狐が自分の中にいることを知った。
『お前は憧れ火影に封印された挙げ句、里のみんなにずっと騙されていたんだよ!!』
『今はもうバケ狐じゃない。あいつは木ノ葉隠れの里の・・・
うずまきナルトだ』
『卒業・・・おめでとう』
サスケとの思い出・・・
『初めから独りっきりだったてめーに!!
オレの何が分かるんだってんだ!!!アア!!?』
『ホントの親子や兄弟なんて確かにオレにゃ分かんねェ…
…けどイルカ先生と一緒にいる時…想像して思うんだ…
父ちゃんってのがいるのってこんな感じかなぁ…って
…お前といる時…兄弟ってこんな感じかなぁ…ってよ
オレにとっちゃ…やっとできた繋がりなんだ』
・・・・
・・
「…お前にとっちゃパパとママとの繋がりはその程度のもんなのか?」
「!?」
「繋がりってのは時間や血だけじゃねーだろ?それより強えーもんがある!」
「じゃあ!何だって言うんですか!?」
「・・・・・想い
それさえありゃあいい」
「・・・」
「そんだけだ。もういっぺん…自分にそれがあるか確かめてみろ」
「・・・」
後編に続く・・・
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